とりあえず美男美女で彩どられる映像が格好いい。ラストは特に。フェイダナウェイが魅力的。なので彼女がする仕草、着る服、髪型、すべてがオシャレに見えてしまう。ボニーが母親の所に帰りたいと駄々をこねる所は感傷的になります。脇役のC・W・モス役のマイケルJポラードがいい味を出しています。彼の見るクライド達への目線が彼らを英雄視する当時の都会人の目として表現されている。見るべき点はそういう所で、話がどうのモラルがどうの実際がどうのというのは、別次元のお話。単細胞な人は全てを一つの論理で考えるからややこしくなる。という事で、参考までに、実際の二人はただの忌み嫌われるべき性格の幼い無知な犯罪者であり、クライドはゲイで二人と共に行動した給油所のW・D・ジョーンズはクライドとはホモで満たされぬボニーとは愛人関係だったらしい。映画ではジョーンズの名前がC・W・モスとなって出てくるが想像するに「cryde with homosexushal」の略では?と考えてしまう。そんな事実を当時としては映画で表現するにはやはり社会的にまだ無理だったわけで、クライドがインポとして表現されています。
ボニーとクライドの青春おすすめ度
★★★★★
これが実話であり、すさんでいた大恐慌時代に、この男女のギャングの「活躍」が大衆には拍手をもって迎えられる。
しかし、やはり、犯罪は犯罪であり、被害者は、心身ともに痛手を負う。この部分が、この作品の基礎にあって、最後の衝撃的なシーンにつながる。実話であるから、それをどう描くかは監督や脚本家の考えによるのであろうが、ここでは「悪の代償は大きい」という形で終わっている。
同じように犯罪者を扱い、ヒーローとする「明日に向かって撃て」や「スティング」が、犯罪者に拍手を送らせる設定になっているのと異なるが、それは、実話とフィクションの違いだろうと思う。
ラストシーンの衝撃のために意見の分かれる作品だけれども、私は、残酷とは思わなかったし、でも、「これでよかった」とも思えなかった。複雑な印象を持って、何回か観ているけれど、やはり、最後は、「衝撃」ではあるが、どう評価していいか分からない。
世代により評価が分かれるかもおすすめ度
★★★★★
最初に書いておきますが、衝撃のラストシーンに対しての評価は世代によって大きく分かれると思います。
僕にとってのラストシーンはショックと絶望でした。
20歳以上違う息子に聞くと感動した、と言います。
生まれ育った世代によって評価が分かれる面白い事例だと思います。
でも、たとえ評価が分かれても、「面白い映画」という点では僕と息子で意見は一致しました。
さて、あなたのラスト―シーンの評価はいかが?
素晴らしい出来栄え
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。従来の伝統を引き継ぎつつ、バランスがうまくとれてます。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。
概要
30年代、経済恐慌にあえぐアメリカではギャングが横行していた。なかでもひときわ悪名高い男女の2人組みが、ボニー&クライドだ。無軌道に犯罪を重ねる彼らは、娯楽のない国民のヒーロー的存在になるが…。
製作も兼ねたウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイが演じる破滅的な愛の物語は、アメリカン・ニューシネマの金字塔的作品だ。犯罪者らしからぬスタイリッシュないでたちが人気の理由で、ボニーの衣装は今でもファッション誌でとりあげられるほどにカッコイイ。ラストで2人が87発の銃弾を浴び、踊るように身もだえて絶命するシーンはあまりにも有名だ。彼らの一味に扮したエステル・パーソンズがアカデミー助演女優賞を受賞している。監督はアーサー・ペン。(小谷幸江)