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さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

高橋 源一郎
おすすめ度:★★★★★
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あたたかな息づかい
おすすめ度 ★★★★★

ここに描かれるそれぞれの物語が有機的につながっている感はない。
むしろ、それぞれがそれぞれに突き放されている。
しかし、そこに「冷たさ」はない。
高橋源一郎が編む言葉の一つ一つが、彼の息づかいのようであり、また、登場人物が相手につける新たな「名前」であるかのように思える。
「いとおしさ」のようでもある。

ただ、僕は、この小説について、これ以上何かを分かったようなことを言う自信がない。
それは、この小説に超現実な世界が描かれているからではない。
作者が「完全犯罪」を行っているのではないか、という一片の疑いがあるからでもない。

理由すらも分からないのだ。



誰か僕に朗読してください。
おすすめ度 ★★★★★

学生だった僕はこの本のストーリーを理解するために何回か読み返しました。
何度読み返しても、難解としか思えなかったのですが、15年ぶりに気負うことなく”ギャングたち”の最後のシーンを読んで、ただ、切なく美しいと感じました。
この本を誰か僕に大きな声で読み聞かせてくれないかなぁ、と思います。



「マーブル・チョコレート」が聞きたくて。
おすすめ度 ★★★★★

10代の頃、はじめてこの本を読んだとき、
全然理解できず、何を感じることもできませんでした。
ふざけて書かれただけの作品だとしか、思うことができませんでした。

30歳を過ぎて、もう一度この本を読んだとき、
胸が締めつけられました。それまでになかったような、やり方で。

以来、当たりはずれが多いといわれるタカハシさんの作品群の、
どれをとっても安心して(?)読めるようになりました。
「コーヒーとサンドイッチ」以外の言葉を発しようと額に汗を浮かべ、
「まっ白。まっ白。まっ白。」の中から言葉を絞り出そうとする
「おしのギャング」を見守るような気持ちで。
いつか力強く、みずみずしく発せられる、
「マーブル・チョコレート」が聞きたくて。

遅まきながら気づきました。
名作です。



「言葉」の重み
おすすめ度 ★★★★★

吉本隆明絶賛の伝説の高橋源一郎デビュー作。

これは何度も読み返すべき作品だと思う。
一度じゃ全ては理解できない。
いや、何度読み返しても完全に理解することは出来ないんじゃないだろうか?


全てが長大な詩のようで、全てがメタファーのようで。

ただ、高橋源一郎が紡いだ「言葉」は、繊細で、情緒的で、美しい、それだけは確かだ。


以前、阿部和重が高橋源一郎との対談において、

「『さようなら、ギャングたち』以後に小説を書かなければならない僕らの立場になってくれ」

的な発言をしていたが、その意味がわかる。


この小説は、小説と言うジャンルにおいて革命的な役割を果たしている。

僕らは生きていくうえで、「言葉」からは逃れられない。

その「言葉」についてもっと繊細に、もっと思慮深くならなきゃなぁと思わせてくれた大切な一冊。




すばらしい
おすすめ度 ★★★★★

まさに夢のコラボです 。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。



高橋源一郎 動画

高橋源一郎



今村直道 高橋源一郎 加藤周一