+ 其の逝く処を知らず (集英社文庫) +

其の逝く処を知らず (集英社文庫)

西木 正明
おすすめ度:★★★★★
最安値はこちら!

Amazon.co.jp



あの時代の匂い、濃厚な傑作
おすすめ度 ★★★★★

 一読して肝をつぶした。こんな人物がいたとは。主人公はただの犯罪者ではない。その時代に全力をつくして国のために働き、戦後は隠遁した。そのすがすがしさが見事だった。



日中戦争の裏に
おすすめ度 ★★★★☆

九州のとある名門校,常にどん尻で卒業も危ぶまれる成績だが,柔道は滅法強くて友情にも厚い,教師達にも一目おかれる存在であった青年は,漠たる夢を抱いて中国大陸に渡り,ジャーナリストとなる。ところがその人物を見込まれ,アヘン売買による資金調達を軍や政府に要請される。のちに阿片王と呼ばれることになる里見は,五族協和を掲げた満州国の理想と,当時泥沼化しつつあった日中間の不毛な戦闘を1日も早く終結させるためと自らを納得させ,不本意ながらアヘン取引に手を染めることを決意する。しかし,満州国の状況は日ましに理想から遠ざかり,街にはアヘン中毒者があふれ,中国に展開する日本軍は権力抗争に明け暮れて戦況も一向に好転せず,と里見は自分を取り巻く環境が次第に変質していく現実に気づくようになる。最後には刺客に命を狙われ,愛する女性を死なせてしまう。そうした苦い想いと無力感が,戦後における彼の完全な沈黙をもたらした一つの要因であったことは想像に難くない。帰国後,GHQの取調べに対しても友人への信義を失わず,と同時にアメリカが中国で共産主義者を秘密裡に支援していた事実の暴露を取引に使うなど,したたかな面も見せる。史実と創作の境界は何とも言えないが,ときの政府高官,軍上層部,中国裏組織幹部たちとの一連のやりとりは臨場感にあふれ興味深く,こんな人物ともつながりがあったのかと驚く場面に事欠かない。かつて日本に里見のごとき人物がいたことにある種の感慨を抱く。同時に,莫大な金を生み出すアヘンという薬物の恐ろしさをも痛感する。



買うしかない!
おすすめ度 ★★★★★

とても面白いじゃないですか 。非常に洗練された魅力的なものになっていると思います。
ホント満点を付けても良い出来です。



西木正明 動画

西木正明



O"YSTER 西木正明 吉田戦車