「“ワダワダ、アゲロジャ、ガガイ”。悲しい呪文だな……」おすすめ度
★★★★★
1974(昭和49)年放映。前年の「つぶやき岩の秘密」に続き、佐藤和哉ディレクターがオールフィルム撮り、そしてほぼ全編を-岩手県二戸市の金田一温泉周辺での、延べ一年間にわたる-ロケにより作りあげた、少年ドラマの佳作。脚本=早坂暁(名作多数。『北京原人』も早坂氏だが…)、音楽=渋谷毅(由紀さおりの名曲「生きがい」「初恋の丘」の作・編曲でも知られる。あの坂本教授も東京芸大で、渋谷氏に教わったとの由)といった一流のスタッフ、そして故・殿山泰司、左時枝らの実力派キャストと共に、基本的に原作を尊重しつつかなり大胆にアレンジを施し、楽しく、哀しく、そして愛おしい、子どもたちのための-いま見ると、むしろ大人のための、であるようにも思える-一級品のメルヘンとして仕上げている。
都会から来たユタ少年-演じる熊谷俊哉君は「よく見ると意外に美形」ってな系統の男の子。この後の少年ドラマ群でも活躍-と友情を育み、彼の成長を手助けする“座敷わらし”のリーダー、ペドロを演じる佐藤蛾次郎は、まさにはまり役(余談だが、彼の作る薬膳カレーは絶品らしい)。自在に動く手持ちカメラを前に、カメラ目線で語りかける彼がアップで映っている時間の記録的な長さも含め、彼のベストバウトのひとつとして推したい。のちに『機動戦士ガンダム』のフラウ・ボゥの声で知られることになる鵜飼るみ子も、ディスカバー・ジャパンな女子大生アンノン族トリオのひとり(セリフあり。緑の服の女の子)として姿をみせる。
なお、「つぶやき岩」のDVD同様、画質は良好。ここで見られるのは、芸術祭に出品-優秀賞を受賞-した際に再編集したせいか、展開が一部きわめて速い、1時間ほどのもの。(10分ほど長い)初回放映時の形で見られる日は来るのだろうか……。チャプターなし。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
届いてからずっと気に入っています
。非常に洗練された魅力的なものになっていると思います。
買って良かったと思います。