BOX-4には、アトムで一番人気のある「史上最大のロボット」と「ロボイド」が含まれます。この2作のために買う人も多いでしょう。それ以外におもしろかったのが、失われた125話「細菌を探せ」の復活版です。動画は残ってないのですが、音声と絵コンテ、スチール写真で再構成しています。ここで注目は女性科学者のユミです。アトムの話ではほとんど登場しない眼鏡美人です。最近の眼鏡ッ子ブームに先駆けること40年前にこのように見事な眼鏡ッ子が登場していたんですね。他の話に登場していないのが残念なほどよくできたキャラです。
アトムに涙・・・信じることこそ勇気おすすめ度
★★★★★
数本見ただけで、言い知れぬ深い悲しみと感動に襲われた。何故あんなにもアトムは、「人間」たちのために全身全霊を込めて戦うのか?アトムは、悪い人間さえ、助けてやるのだ。我々人間とは、それだけの価値のある存在なのか?『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リングズ)』でも、誘惑に負けやすく、勝手で弱い人間という種は、エルフの信用を失っていた。「人間なんか当てにならん!」と。アトムは一方で、「ロボットだからといってそれだけで悪いと決めつけないでくれ!」とロボット種への信頼を得るためにも戦う。アトムを、単なる「スーパーマン」のようなヒーローとしては、とても見られなかった。ましてや、ロボットは人間が作ったのだから、人間のために働いて当然、等とは、到底思えなかった。
ロボットとは、我々21世紀の人間にとってどのような存在となっていくのだろう?アトムに関する解説書などによると、初放送の時には、喝采を送った人々が多かったそうだ。ところが、何故か私の記憶にあるアトムは、悲しみと同居していた。「いいぞ!アトム!」という喝采と共に、アトムについて思い出す事は出来なかった。どんなアニメだったのか、あまりにも昔のことで、思い出せなかったが、太陽に向かっていくラストは、小さかった私の胸に焼き付いて離れない。
奇しくも今年はアトム誕生の年2003年。今DVDを改めて見てみて、子供だった私にとって、何故アトムが単純な「理想のロボットヒーロー」などではなかったのか、はっきりわかったような気がする。作者手塚治虫が、どこまで意図していたかはともかく、この21世紀、動物、植物、そして地球そのものとの共存が声高に叫ばれながらも、人間はそれを無視し死に追いやっている。人間同士はどうか?戦争をやめようとはしない。
ロボットとどう共存していくか、という問題も、今では、現実となっているではないか。人員整理をし、自動化した会社は株価上昇、回転寿司は、ロボットに握らせて単価を下げている。自己を犠牲にしてまで働くアトム・・・人間とロボットとの共存に彼は賭けているのか?
共存とは、まず対話から始まるのではないのか?そして対話は、信頼無くしては成り立たない・・・・・アトムの与えてくれる感動、それは、自分を作った人間への信頼、そして自分の属するロボットへの信頼を痛々しいほど無条件に体現するその姿のせいなのかもしれない。信じたい、でも信じられない、そんな我々の現実に希望を与えてくれ、勇気づけてくれる彼は、やはり永遠のヒーローの名にふさわしい。
出来は非常に良いです。
おすすめ度 ★★★★★
はっきりいって、すさまじい出来です
。値段の割には上出来。
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!