淀みなく読むことができる文章おすすめ度
★★★★★
一族の不幸な身の上を淡々と描写するとき、作者は当事者でありながら、傍観者でもある。しかし決して冷酷なわけではない。妹や母親の死を看取る話を電車の中で読んでいて、思わず読むのを止めてしまった。物語は気になるが、作者の思いを読むにつけ、涙をこらえるのが難しかったからだ。
師でもある夏目漱石は「銀の匙」におけるひらがな遣いの多さを指摘したそうだが、私は本書を読んでいると非常に心地よいというか、淀みなく読むことができる文章であることが気になった。作者がもともと詩歌にしか興味がなかったことから来るのだろうか。短い文章で事実を連ねて行く形式が読みやすさを生み、作品全体に流れを作り出しているのかもしれない。
「銀の匙」と同じく、たまに取り出して読んでみたくなる作品だ。
買うしかない!
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
。他の方がコメントされているとおり、
買って良かったと思います。