やはり面白いおすすめ度
★★★★☆
未完の大作。鉛筆描きの第四部ネームP30を含む。
欧州中が旧教徒と新教徒との戦いに巻き込まれる中、英国はスペインやバチカンと敵対していた。
英国レッドフォード家に生まれた双子の男女エロール・リーとオリビエ・リーは
4歳の頃から両親と別れ10年間船上で暮らしていた。
父侯爵から帰国の命が下り、祖国へ戻ると母ビクトリアが何ものかにさらわれ
3年の月日がたつ事を告げられる。
オリビエは4才の時に旧教徒にさらわれ背中に「EL DORADO」のイレズミが刻まれていた。
完結と謳いながら半端なネームをのっけられてあきれてましたが、読み返すとやはり面白いです。
マンスフィールド伯アーサー・ローレンスなんか、オリビエへの思いを完全に押し隠している為に
かえってはちきれそうでエロい感じがします。
兄のエルでさえ、妹を他の男に預けた時には娘を持つ父親の気持ちがわかると言った
ジェラシーらしきものを感じているのに、実の父レッドフォード侯爵は謎です。
アーサーに「オリビエの手当てをして自分も生身の男です。こんなムラムラした自分と
あなたの娘を今夜ふたりきりにすべきではないと思う(直訳)」と告白されても
「結婚ならいつでも許す」と、父の情に流される事もなくその場を後にしてしまいました。
だいたい娘にまでフェロモン振りまいていったい何がしたいのかと。
でも、すごく楽しいです。
もしも舞台化する事があったならロレンツォ・デ・クレメンテ公爵は是非美輪明宏さんに演じて頂きたい。
第4部ネームつきおすすめ度
★★★★★
第3部終了後に、未発表の第4部冒頭30ページ分の
鉛筆書きのネームがついています。
第4部第1章 イタリアン・ブルー
イタリアンブルーという言葉が16世紀末に存在したかはさておき
ファンにとっては、この30ページのためだけでも、この本を一冊購入する値打ちは
十分にあります。
今を去ること10年前、このような感じでエルドを再開しようと
構想されていたのかと思うと、何度も何度もこの30ページを
繰り返して読んでしまいました。
いつまでも元気で若いオリビエや、いつまでも美しいクレメンテ公爵を
想像して、また、心配性のマリオット・ローランやら
出番が少なかったエロール、アーサー、ビンセント、
ステファン卿などはほんのカタスミにちょっとだけ
ナイジェルは今回セリフが結構多かったような…
そして、突然あかされたアンジェロの名前の由来などもあり
色々と大変楽しゅうございました。
もっとも、下書きですので顔も描いていなくて、どんな表情か
想像して読まねばなりませんでしたが、それもそれなりに
楽しかったです。
下書きのネームでもいいので、文庫本1冊200ページ分を
描いてくださったら、私は迷わず購入しますが
まことに花より美しいクレメンテ公のお姿を
せめてもう一度山本先生の絵で拝見したいと願っています。
知られざる名作おすすめ度
★★★★★
知る人ぞ知る少女漫画の名作。未完だが、四半世紀前の作品にもかかわらず、スケールの大きさ、画力のレベルの高さは驚嘆に値する。登場人物名にはさすがに時代を感じてしまうが、20年以上の長い年月に渡ってコアのファンをひきつけておく吸引力はさすが。
物語は16世紀末の宗教戦争を題材に、海賊、インカの秘宝、ジプシーに泥棒、王侯の隠し子、男装の少女など、冒険小説のアイテムをこれでもかというように詰め込んで豪華この上ない。同時代のベルばらに比べてけれん味があるところも却って魅力的だった。
何度も再開が報じられ、そのたびにファンはやきもきする羽目に。私も20年ほど前に購入したコミックを持っているのだが、今回未発表ネームがついているというだけの理由で6巻を購入してしまった。十数年前にも再開のうわさを聞きつけ、本屋に日参した覚えがある。作者は大風呂敷を広げすぎて収拾がつかなくなったのではないかという気もするし、今となっては再開されても画風や作風が変わってしまうのではないかという悪い予感もあるが、それでも、続きが気になってしかたがない。
素晴らしい出来栄え
おすすめ度 ★★★★★
非常に素晴らしい一品だと思います
。他の方がコメントされているとおり、
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。