事件の謎をとくにあたり、科学的な面が大きく関わってくるため(だからこそ天才物理学者:湯川が登場するわけですが)、典型的文型な私からすれば全く理解できない言葉も多々出てきますが、それらが理解できなくとも謎解きの面白さは十分に味わえます。
ただし、同じく東野氏の推理短編集である『探偵倶楽部』は、豊富なトリックを屈指し短編ながらその中で読者を巻き込むように二転三転するストーリー展開が大きな魅力でしたが、このガリレオシリーズの場合は、そういった展開の面白さはそれほどありません。推理小説の作りとしては実にシンプル。
これに続くシリーズである『予知夢』と『容疑者xの献身』も読みました。それぞれ同じシリーズの独立した小説ではあるため、どれから読んでもいいのですが、これと『予知夢』で本来の湯川のキャラクターと、湯川と同級生刑事:草薙の関係性に十分触れたからだったこそ、『容疑者xの献身』がより楽しめたのだと感じました。
物理探偵登場!おすすめ度
★★★★☆
説明のつかない難事件に遭遇したとき、警視庁捜査第1課の草薙俊平が必ず訪ねる男、
それは大学時代の友人で、帝都大学理工学部物理学科助教授の湯川学。
湯川はその天才的な頭脳と洞察力で、草薙の持ち込む超常現象とも思える事件を
次々と解決し、捜査第1課内で、「ガリレオ」と称されることとなる…
物理(化学)現象というか作用というか、それらを大胆にトリックに用いていることから、
理系オンチの私としては、当然謎解きはガリレオ先生任せとなり(笑)、
推理の楽しみはさほど味わえなかった。
しかし、そんなことがあり得るのかと感心もし驚きもし、という点でこれまでのミステリー
にない魅力があるのも確か。
これを福山雅治が演ずるのは格好良すぎるだろうと思って読んでいたのだが、巻末の解説を
書いている佐野史郎によれば、東野は佐野をイメージして湯川を書いたとのこと。納得。
ドラマ・映画ファンおすすめ度
★★★★☆
映画化をきっかけに読了。
なるほどドラマは上手くキャラクターや設定、話を膨らめたものだと感心した。
東野圭吾にしてはまあまあ凡作の部類であろう。
特に人間ドラマとしてはどれも(他作品に比べれば)薄い。
そこを強化・昇華したドラマ版の特に1話と映画には敬意を表する。
しかしミステリを短編で楽しむには充分な作品ではないか。
久々に海外の古典を読んだ様な満足感が得られた。
すばらしい
おすすめ度 ★★★★★
背筋にゾゾゾという感覚が走りました
。出来は今更ながら言うまでもなく素晴らしい。
買って良かったと思います。