80年代のアメリカ証券界を描いた大作おすすめ度
★★★★★
若き証券セールスマン、バド・フォックス(チャーリー・シーン)は、貧乏人から巨万の富を築いた成功者ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)をいつか追い抜こうという野望に燃えていた。ゲッコーと5分間の面会時間をとるのに数カ月もかかった。バドはブルースター航空に技師として働く労働者階級の父(マーティン・シーン)から会社の経営状況に関する情報を入手し、それをゲッコーに流した。彼はバドをすっかり気に入り、バドの証券会社を通して取り引きするようになった。バドはゲッコーのやり口を徹底的に研究し、実績をあげていき期待に応えた。バドが流したインサイダー情報を利用した取引は違法行為だが、莫大な報酬を手に入れたバドは成功の甘い香りに酔っていた・・・。
「プラトーン」のオリヴァー・ストーン監督が、ニューヨーク・ウォール街を舞台に一獲千金を狙う男たちの世界を描いた作品。
M&Aをはじめとした証券ビジネス、やっちゃいけないインサイダー取引等の証券取引法違反等、好景気に沸いた80年代のアメリカ産業界の表の部分と裏の部分が実によく表現されています。LBO、ホワイトナイト、ゴールデン・パラシュート、パックマン・ディフェンス等、最近日本でも話題の企業買収防衛策も実例として登場します。そして、大物投資家を演じたマイケル・ダグラスと若き証券マンを演じたチャーリー・シーンが共に好演し、映画を盛り上げています(マイケル・ダグラスは、同年主演した「危険な情事」ではとれませんでしたが、この作品でオスカー受賞)。
「摩天楼はバラ色に」同様、大好きな作品の一つです。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。とにかくこれは絶対買いだ!
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。
概要
出世欲に燃える若き証券マンのバド(チャーリー・シーン)は、カリスマ的魅力をもつ富豪のゲッコー(マイケル・ダグラス)に取り入ることで、みるみるうちに実績をあげていく。しかし、ゲッコーの悪どく汚い稼ぎ方にやがて疑問を抱き始め、やがて反旗をひるがえす。
オリヴァー・ストーン監督が、世界経済の中心であるウォール街におけるマネー戦争の実態を赤裸々に描いた社会派エンタテインメント。非常に大衆的な作りになっているので、株に疎い人でも容易に楽しめる。
ゲッコー役のM・ダグラスは本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞。また、C・シーンの実父マーティン・シーンがバドの潔癖な父親に扮し、怒とうのごとき存在感を示してくれている。(的田也寸志)