キラキラして美しくそして醜いあの頃と今おすすめ度
★★★★★
直木賞受賞作。
女子高生2人の友情に満ちた日々と、そのうちの1人の現在とを時間を交錯しながら描いていく物語。
過去の方の物語では、いじめられていた葵の憂鬱さやナナコの自由気ままな一匹狼的強さや、そしてその裏に抱えていたモノや、
2人の強く熱く、そして悲しい友情が大切に描かれている。
そう、角田光代という人は、本当に大切に一瞬一瞬を描く人だなぁと思う。
あの頃の、キラキラして美しくそして醜い日々をこんなに大切に描ける人がいるだろうか。
そして、葵は現在では女社長として会社を起している。
現在の場面では、新しく入社してきた同年代の主婦小夜子の目線から、葵とその周り人々、小夜子との交流が語られる。
結局私たちは、あのころも今も、同じように美しく、そして醜いのだと気づかされ、
そんな私たちを愛おしいと思わせる作品だ。
胸に生まれる、何か。おすすめ度
★★★★★
初めて角田光代さんの小説を読みました。
まさに、喰わず嫌い、でした。
なんとなくふにゃふにゃの小説を思っていたのですが、
かっちりとした、読み進むにつれて
自分の胸の中に何かが生まれる小説です。
揺さぶられて頭がグラッとするような描写。
描かれているのはどこにでもいそうな2人の女性、
2人の女子高生。
だけど、誰もが感じたことのあるなんとも表現できない
感情が巧みに切り取られて、目を背けたいのに、
ほらっと皿に載せられて、見せつけられているようです。
また別の作品を読みたいと思います。
さすが直木賞受賞作。
良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★
言うまでもなく最高峰
。このアレンジが秀逸の一品から感じたことは、素晴らしい才能の奥深さ、ということです。
買って良かったと思います。