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対岸の彼女 (文春文庫 か 32-5)

角田 光代
おすすめ度:★★★★★
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少女、大人、の友情
おすすめ度 ★★★★☆

読後、1年経った今も印象深いのは、2人の少女が、海辺の民宿で働いた日々です。
2人にとって、最高にキラキラ輝いた素敵な時だったと思います。
この部分以外は、どちらかと言えば、辛い暗い灰色のトーンですので、余計に印象的でした 友情がピークを迎えた時。この思い出があれば、つらくても生きていけそうです。葵はちょっと痛い感じの女になってましたが・・。(私個人の感想です。)
晩年にも少女のような、鮮烈な友情を経験したいものですが、それは難しいことは、
小説の後半にも描かれています。1度で十分。




人間の距離感
おすすめ度 ★★★★☆

「女」という生き物は、「親友」を作りたがる。学生時代「親友」と呼べる人間は確かにいた。たまたま席が隣だったから、なんとなく話しかけてくれたから、という理由で、「親友」となった。別に吟味に吟味を重ねたわけじゃない。でも、いつもともに行動し、悩みを打ち明け、彼女となら何でもできそうな気がしていた。そんな関係はいつまでも続くように思えるが、学校を卒業し、違う道を進むと、いつの間にかぱったりと途絶える。
その後の「女」は「妻」となり、「母」となり、「親友」と呼べる人はそばにいない。「○○さんの奥さん」「△△くんのお母さん」となって、取り巻く人間関係は「女」個人を見てはくれない。また、独身であっても、「仕事」を通じてしか知り合う人はなく、そこに「親友」はなかなか現れない。

本書は、角田光代の直木賞受賞作。女性同士の微妙な人間関係を見事に描いた書といって良いであろう。結婚して一児の母となった小夜子は、公園での母同士のお付き合いもままならず、夫と姑だけの人間関係の中で悶々とした日々を送っている。一発奮起して飛び込んだ小さな会社で出会った、同い年の社長・葵。小さなことは笑い飛ばす、フレンドリーな彼女には、学生時代、世間を賑わせた過去があった。

子を持つ小夜子と「対岸」にいる独身葵。二人の間に起こる幸せとすれ違い。30代以上の女性なら、誰もが経験しそうな二人の関係。小夜子の前進により、希望の持てるラストになっているのが気持ち良い。とかく感情に流され、白黒はっきりさせないと済まない女性にとっては、小夜子の選んだ道は「大人」の選択といえるだろう。
読後、自分の周りの「友人」との関係をしみじみ考えさせられた。



ナナコの言葉
おすすめ度 ★★★★☆

ナナコの「何もこわくなんかない。こんなところにあたしの大事なものはない。
いやなら関わらなければいい」というのがとても気になった。
単純明快で、潔いけれど「関わらなければ」いいことと
「それでも、関わらなければならない」事があると思う。



キラキラして美しくそして醜いあの頃と今
おすすめ度 ★★★★★

直木賞受賞作。
女子高生2人の友情に満ちた日々と、そのうちの1人の現在とを時間を交錯しながら描いていく物語。

過去の方の物語では、いじめられていた葵の憂鬱さやナナコの自由気ままな一匹狼的強さや、そしてその裏に抱えていたモノや、
2人の強く熱く、そして悲しい友情が大切に描かれている。
そう、角田光代という人は、本当に大切に一瞬一瞬を描く人だなぁと思う。
あの頃の、キラキラして美しくそして醜い日々をこんなに大切に描ける人がいるだろうか。

そして、葵は現在では女社長として会社を起している。
現在の場面では、新しく入社してきた同年代の主婦小夜子の目線から、葵とその周り人々、小夜子との交流が語られる。

結局私たちは、あのころも今も、同じように美しく、そして醜いのだと気づかされ、
そんな私たちを愛おしいと思わせる作品だ。



胸に生まれる、何か。
おすすめ度 ★★★★★

初めて角田光代さんの小説を読みました。
まさに、喰わず嫌い、でした。

なんとなくふにゃふにゃの小説を思っていたのですが、
かっちりとした、読み進むにつれて
自分の胸の中に何かが生まれる小説です。

揺さぶられて頭がグラッとするような描写。

描かれているのはどこにでもいそうな2人の女性、
2人の女子高生。

だけど、誰もが感じたことのあるなんとも表現できない
感情が巧みに切り取られて、目を背けたいのに、
ほらっと皿に載せられて、見せつけられているようです。

また別の作品を読みたいと思います。
さすが直木賞受賞作。



良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★

言うまでもなく最高峰 。このアレンジが秀逸の一品から感じたことは、素晴らしい才能の奥深さ、ということです。
買って良かったと思います。


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