俺色のシリーズおすすめ度
★★★★★
短編集「ぱれっと」に収録された表題作に書き下ろし3本を加えた短編集です。
私もシリーズ化を望んでいた作品なので発売が待ち遠しかったです。
まぁぶる、ぱれっと以外のポリフォニカシリーズで短編集といえばアニバーサリー・ホワイトくらいですが、いきなり長編なしで新シリーズが始まったのはダン・サリエルがはじめて。
それに加えて戦闘シーンが全くないのもシリーズでは異色の存在です。
「〜白銀の虎」
記念すべき第一話、俺様楽士ダン・サリエル登場の巻。
お偉方の前座をしたエピソードなんかが後のお話に絡んできて意外に深い。
「〜栄光のヤマガ00壱型」
コントでよくある鉄板ネタ。
「どらんく・くりむぞん」を押しのけて笑えるポリフォニカNo.1に決定です。
極度のユフィンリーファンの方は精神の平穏のためにも読まないことをおすすめします。
あと、シェアード・ワールドと言いつつここまで他シリーズのメインキャラを絡めてきたのはこの話が初めてかも。
「〜孤高の老楽士」
うってかわってシリアスなお話。
しかも神曲楽士と言うよりは音楽家としてのダン・サリエルについて。
芸術とは奥深いものです。
「モモ・パルミラ・ファルスタッフの幸せな一日」
ダン・サリエルの契約精霊、モモの視点から見たお話。
完全にほのぼの系で、コジの意外な一面に笑わせてもらいました。
GAマガジンに載っていた「〜七つの仕事」は未収録。
あと、「〜白銀の虎」がぱれっと初出というのも書いてないです。後書きを読めば出自はわかりますが。
既存のシリーズとはどれとも違う「色」を持ったダン・サリエル、戦闘がなきゃダメだって言う人でなければ楽しめると思います。
実は日常系?おすすめ度
★★★★★
読んで、めっちゃ笑いました。一言で言うとバトルなしの短編集ですが、そういうシリーズは他になかったので新しい感じがします。
ぱれっとにも載った表題作は、サリエリをもじった名前の売れっ子音楽家が、アマデウスっぽい名前の名家の(見捨てられ気味の)お嬢様の潜在能力に嫉妬する話なんですけど、ぱれっとの中では一番読みやすい印象がありました。なので、シリーズとして独立は非常に喜ばしい限りです。
今回書き下ろされた短編の中では、やはり2話がいい。ツゲ事務所の人々が何人も客演しているんですけど、ユフィンリーとサリエルの意地の張り合いとか、古典的な貴重品を○○したネタとかが決まってます。ポリ赤以外でこんなにフォロンが客演するのも珍しいですね。
でもユフィンリーはちょっと壊れすぎかも。
挿絵師変更は私も戸惑いましたが慣れました。
脳内では前の絵師で物語が進行してしまいます。おすすめ度
★★★★☆
自分の中でダン・サリエルのイメージは前の絵師がぴったりすぎたため、
なんというか挿絵のあるページを捲るごとに違和感を覚え、最初の方は読むのに
手間取ってしまいました。○ンズと悪魔読んでるのでなおさらです。
どうして絵師変わったんですかねぇ。漫画書いてるからでしょかねぇ。
ポリ銀の2話目ですがクイーンM編のノリで書いてあります。
ちなみにBBBでクイーンM編は異色を放ってます。なにせ笑いがあるのは
この短編だけですので。…そういえばBBBの9巻買ったはいいが読んでないや。
他色のポリフォニカみたいに主人公の能力が突出した設定の描写が
そうあるわけではなく、弟子志望の方が能力は高い描写があったりしますが
他色には無いそこらへんが気に入っているところでもあります。
続刊出たらいいとは思いますが、青みたいに途中で止まらないで欲しいと思う今日この頃。
なんでこんな事になったんだろう?おすすめ度
★★★☆☆
「ぱれっと」以来の念願のシリーズ化?
ダン・サリエルが、音楽界に新風を。
愛と、苦悩と、挑戦の物語・・・って熱い展開を期待したけれど、微妙。
イラスト・・・絵師さん変わったんですね。
『猟銃』って書いてあるんだから、拳銃構えてる絵は違和感強すぎました。
話の内容は、なんでこんなに紅キャラが?
紅キャラである必要、まったく無い。
紅の話の展開は好きじゃないけれど、キャラクターは魅力的。
むしろ、ダン・サリエルの世界を邪魔してる。
ものすごく勿体無い。
実話のコレクターな演奏家の話には楽しいエピソードがいっぱいあるのに、
なんで新しいキャラじゃなくてツゲ・ユンフェリーをライバルに出して、紅と絡めたんだろう。
独自のキャラで音楽界のライバルと絡めた方が良かったんじゃなかろうか。
最近、以前は全く見かけなかったクリムゾンシリーズの中古も大量に見かけるし、
出版社からの要請で紅のキャラを出したのだろうか(邪推)
紅キャラは素敵、だからって・・・なんだかなぁ。
この作家さんの生み出すキャラはとても魅力的なのに、
せっかくのオリジナルが潰されてしまった感が大きすぎる。
次回作に期待。
ダン・サリエルと愉快な仲間たちのカルテットおすすめ度
★★★★★
パレットの人気作が待望のシリーズ化!
こないだ読んだばかりだったのでタイミングのよさに狂喜です。
傲岸不遜で唯我独尊の自信家、新進気鋭の音楽家にして神曲楽士のダン・サリエルと愉快な仲間たちの話。パレットの絵は山本ヤマトさんでしたがシリーズ化に伴い絵師がカズアキさんに変更。どっちも大好きなのでうれしいです!サリエルは線が細くなりなおいっそう嫌味なインテリぽく、モモはさらに丸く可愛く、コジはさらに猫らしく(?)なりました。
なんといってもサリエルのキャラがいい。
若き天才を自称する不遜なインテリだけど実は……音楽にかける情熱は人一倍、「音楽は大衆の為にあるべき」との信念のもと軽快で楽しい演奏を続けるも、自分の音楽は一過性の流行に過ぎず、芸術の高みには届かないというコンプレックスに葛藤する姿に思わず感情移入。
あざのさんの書くキャラは本当良い意味で人間臭い。
一面的で薄っぺらい人物がいません。
作家の人柄が出てる気がします。
嫌な奴だけどそれだけじゃない、悪い奴だけど憎めないキャラを書かせたら現在のラノベ界一では?
卑小で卑屈で真摯なサリエルのキャラがとても魅力的な柱になってます。
演奏シーンも圧巻!
孤高の老楽士との競演、モモに神曲を奏でるシーンは目に浮かび耳に聴こえるような描写に酔いしれること請け合い。筆力の高さを再確認しました。
サリエルをけなげに慕う契約精霊のモモ、モモとライバル関係のアマディアなど、サリエルを取り巻く人間模様もフレキシブルで飽きさせない。
ツゲ事務所の面々がナイスな登場するので(レンバルトやコーティーのイラストあり!)既存シリーズのファンも買いです。特にツゲファンの方は、彼女の意外すぎる一面が見られます。物凄い肺活量の高笑いって……。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
今回の発売がすごく嬉しいです
。値段の割には上出来。
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!